プロベートとは?
誰かが亡くなり、ある一定金額を超える財産を遺すと、プロベートという手続きが必要になります。これは、裁判所が鑑定士や弁護士を雇って遺産の価値を鑑定し、相続人に分配する手続きです。この手続きには普通1年以上の時間と多額の費用がかかります。カリフォルニア州では、プロベートにかかる時間は平均1年半といわれていますが、実際に私が経験した例や、友人・知人が経験した例では、3年以上かかっているケースが多くあります。故人の財産は、プロベートが完了するまで凍結されるうえに、財産の内容が一般に公表されるため、さまざまな問題を引き起こします。さらに、裁判所が指定した管財人が、故人の財産を不法に流用して私服を肥やしたという事件も起きています。プロベートは、生前にリビングトラストを作って、財産をそのトラスト名義にしておけば、避けることができます。
遺書があってもプロベートは避けられない?
遺書があればよいと思っていらっしゃる方も多いですが、カリフォルニア州では、遺書だけではプロベートを避けることはできません。カリフォルニア州の場合、プロベートは、故人の総資産が10万ドル以上あった場合に必要になりますが、これは純資産でなく総資産です。つまり、資産が
20万ドル、借金が20万ドルでも、プロベートになります。また、米国市民でない場合、配偶者控除が適用にならず、相続税の対象になりますが、特別なリビングトラストを作っておくことで避けることができます。
また、州外に不動産をお持ちの場合、それぞれの州でプロベートが必要になります。カリフォルニア州以外の州では、プロベートになる資産の限度額が、10万ドルよりもずっと低い州もあります。リビングトラストを作り、全ての不動産の名義をそのトラストの名義にしておけば、不動産が全米の複数の州にあっても、その全部の州でプロベートを避けることができます。
エステートプランはお金持ちだけが必要なのでは?
エステートプランと言いますと、お金持ちにしか用のないものと思われている方も多いですが、上記のように、最低でもリビングトラストがないと、プロベートになって、大切な財産を無用に政府や弁護士への支払いに使うことになってしまいます。
また、エステートプランは高齢になってから考えればいいものと思いがちですが、若い人でも必要です。たとえば、若い夫婦に万が一のことが起こった場合、幼い子供の養育について決めておく必要があります。また、万が一の事故や予期せぬ病気で、自分が正常の判断ができない状態になった時、治療やお金の出し入れについて、誰に決断を委ねるか、もし植物状態になった時は、どのように扱って欲しいか、などを決めておくことで、家族に与えるストレスを最小限にできます。
私の身近で起きた例をひとつご紹介しましょう。18歳と14歳の兄妹、両親が離婚し母親と暮らしていましたが、母親がある日突然勤務先で倒れ、そのまま還らぬ人となりました。兄は大学を辞めて仕事を探すことになりましたが、そこへ、長年連絡のなかった父親が、婚約者とその女性の4人の子供を連れて引っ越して来ました。両親の離婚後、家の名義はまだ離婚前のままの両親の共同名義になっていたため、父親が家の所有権を取得、このままですと、母親が残した家は父親とその新しい家族のものとなってしまうようです。現在まだプロベートも終了しておらず、19歳の兄は家を出てフルタイムで働きながら、いつか大学に戻ることを目指していますが、なんと過酷な運命かと、見ていてつらくなります。母親がリビングトラストを作っていてくれたら、こんなことにはなりませんでした。
エステートプランがなかったための悲劇は、このほかにも、私の周りにいくつもあります。
明日何が起きるか、誰にもわかりません。皆さんも、一度考えてみてください。
エステートプランのご相談は、田口までどうぞ。ご相談は無料です。
