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まちがいだらけのローン選び
固定金利と変動金利、結局どちらが得?

田口のスペシャルレポート
家を購入する際や、リファイナンスをする際に、ローンは必ず固定金利ローンで、と最初から決めている方、なんでもいいから、とにかく月の支払額が安くなるように、と言われる方、金利がとにかく低いものという基準で選ぶかた、30年ローンを、15年ローンにして早く元金を返済したいと言われるかた、などさまざまです。ローンの種類は数多くあり、銀行によってもさまざまなため、私たちが自分に最適なローンを選ぼうとするとき、どういったことを比較して決めたらいいのでしょうか?

固定金利ローンの特徴

固定金利ローンは、その名のとおり、金利が固定されており、変動することはありません。そして、同じ支払い金額をローンの期間中支払い続ければ、元本を全額返済できるように計算されています。ローン期間は30年と15年が一般的ですが、10年、20年、40年というようなものもあり、期間が長いほど、毎月の支払い金額は少なくなります。一方、金利は、期間が短いほど低くなります。

固定金利ローンを選ぶ理由のひとつに、金利の上昇に影響されることなく、毎月の支払い額が一定している安心感があります。また、元本を早く減らしたいから、という理由をあげる方もあります。しかし、本当に固定金利ローンは、変動金利ローンよりも早く元本を減らすことができるのでしょうか? これについては、後ほど検証します。 

固定金利ローンの欠点といえば、支払い金額が変動金利ローンと比較して高いこと、また、元本が本格的に減り始めるまでの何年間かの間は、支払いのほとんどは金利だということです。

固定金利ローンは、金利が低いときに借りるなら、低い金利を固定してしまえるという点で有利ですし、特に今後金利の上昇が予想されるような時期には有利といえるでしょう。そしてなおかつ、不動産を長期に渡って所有する予定がある場合には、固定金利ローンが適しているといえますが、3年、5年、あるいは7年以内に売却を考えているというような場合には、もっとほかに適したローンがある可能性があります。

変動金利ローンの特徴

変動金利ローンは、金利が変動します。どのように変動するかといいますと、"インデックス"に連動しています。インデックスとは、「お金のコスト」として定期的に公表される数値で、銀行が、変動金利ローンの金利を算出するための指標として使用するものです。インデックスに"マージン"を足したものが、変動金利ローンの金利となります。マージンは各銀行が決めるもので、銀行の経費と利益を賄うためのものです。

インデックスには、大きく分けて、コストに基づいたインデックスと、市場の動向に基づいたインデックスの、2種類があります。コストに基づいたものには、CODI、COSI、COFIなどのインデックスがあり、これらは銀行がお金を管理したり動かしたりするのに必要なコストに基づいているため、通常は、市場の動向に基づくインデックスよりも低く推移し、また変動の幅が小さ目で安定しているのが普通で、どちらかというと、常に下降するような圧力を受けています。市場の動向に基づくインデックスには、MTA、LIBOR、PRIME、T-BILLなどがあり、これらは、消費者物価指数、GDP、小売動向、失業率などによって変動し、どちらかというと常に上昇するような圧力を受けています。

変動金利ローンには、変動の頻度が毎月のものもあれば、1年ごとのもの、また最初の数年間は固定されているというようなものまで、色々な種類があります。また、金利のみを支払うローンで、元金は全く減らないもの、最初の何年間かの支払いが非常に低く、その分元金が増えていくもの、など、数多くの種類があります。

変動金利ローンの利点は、金利が、固定金利ローンに比べてかなり低くスタートすること、欠点は、インデックスの変動がどうなるか確実に予想することは不可能なので、将来支払額がどのように変動するかがわからないことでしょう。しかし、不動産を数年後に売却することを予定している場合には、その数年間のキャッシュフローを考えると、あえて固定にする必要はありませんし、変動金利でも3年間固定、5年間固定などのものなどを選べば、金利上昇の不安もありません。

固定金利ローンと変動金利ローン、キャッシュフローと元本返済速度の比較

固定金利ローンのほうが、変動金利ローンより、元本は早く減って行くのか?この疑問を検証してみましょう。下記の表は、100万ドルを金利6%、30年固定金利のローンで借りた場合と、毎年金利が変動する、変動金利ローンで借りた場合の、最初の5年間を比較したものです。

毎月の支払い金額     キャッシュフロー     元本の残高

変動返済額
固定返済額
差額累計
変動残高
固定残高
1年目$4,819$5,996$14,12298.49%98.77%
2年目$5,117$5,996$24,66497.05%97.47%
3年目$5.417$5,996$31.60195.66%96.08%
4年目$5.719$5,996$34,91794.32%94.61%
5年目$6,022$5.996$34,60493.00%93.05%

このシナリオで例として使用した、変動金利ローンの内容:
30年変動金利ローン、30年で元本を払い終わるタイプのもの
1年目のインデックス 1.677%、マージン 2.40%
毎年の金利の上昇率 0.50%
1年間で上昇する最高率(Cap) 7.50%
ローン期間内の最高の金利(Life Cap) 9.95%

上のシナリオの場合、固定金利ローンと変動金利ローンの支払い金額の差(キャッシュフロー)が、5年間で、$34,604になります。すなわち、変動金利ローンで、毎月の支払い金額が固定の場合より少ない分を、そのまま貯めて投資したとします。5年間で、$34,605を投資に回せます。これを、2%の利回りで運用したとすると、5年間で$2.452の利息が得られることになります。さらに、元本の残高を比較してみると、変動金利ローンのほうが、0.05%多く減っています。

この例でわかることはなんでしょうか?それは、変動金利ローンのほうが、固定金利ローンより、支払い金額が少ないのに、元本が多く減る、という場合もあるということです。特に、数年後に売却を考えているような場合なら、固定より変動にしたほうが、得な場合が多いと考えられます。

では、別のシナリオを検証してみましょう。下記のシナリオは、同じく金利6%、30年の固定金利ローンの場合と、30年の変動金利ローンの、ミニマムペイメントのみ支払うことができるタイプのローンの場合で、最初の3年間を比較したものです。ローン金額は40万ドルです。

変動支払方法@ミニマムペイメント
(1.95%)
変動支払方法A金利
のみ
変動支払方法B金利と元本
(5.213%)
C30年固定の場合
@とCの支払額の差の
1年分
1年目
$1,468
$1,737
$2,199
$2,398
$11,156
2年目
$1,578
$2,398
$9,834
3年目
$1.697
$2,398
$8.414

上のシナリオの金利は、このレポートを作成している時点での実際のレートです。ここで例として取り上げた変動金利ローンは、ある銀行の商品で、毎月、4種類の支払い方法の中から、好きなものを選んで支払いをすることができるというローンです。その4種類とは、@ミニマムペイメント、A金利のみ、B金利と元本、そして15年ローンにした場合の金額です。15年の金額は上の例には入れていません。

さて、このシナリオでは、どんなことがわかるでしょうか? ミニマムペイメントのみを支払っていくと、その支払い額は金利以下ですから、その分、元本が増えて行きます。これを、ネガティブ・アマタイズと呼びます。上の例の場合、1年間でネガティブになる分は、$3,000ちょっとです。@とCの支払い金額の差が1年で$11,156あることを考えると、この浮いたお金の中から元金のネガティブ分を返済しても、おつりが来ます。

また、もし30年の固定金利ローンで40万ドルを借りた場合、1年目で減る元金は、$5,000以下です。それに比べ、もし浮いた$11,156を全額元本の返済に回すと、$7000程度が元本返済としてクレジットされます。ということは、この例の変動金利ローンでは、毎月の支払額も少なくて楽なうえに、その分浮いたお金を元本の返済に回せば、元本を減らすスピードも速くなる、という結果になります。
すなわち、変動金利ローンでは、将来金利が騰がるかもしれないというリスクがある代わりに、最初の数年間は、固定よりはるかに低い金利であるという利点があり、これを利用して、元本を返済するスピードを速めることもできるのです。

また、1年間に浮いた$11,156で、金利の高いクレジットカードを返済することによって、実質の収入を増やすというようなやり方もありますし、投資して運用し、借りているモゲージローンの金利より高い利息を稼ぐことができれば、その分収支はプラスです。

さらに、このタイプのローンは、支払える月には多く支払い、ちょっと厳しい月にはミニマムだけ支払う、という自由がきくという利点も見逃せません。

住宅ローン選び、そのほかのポイント

インデックスの特徴と変動歴
そのローンが連動しているインデックスが何であるかを調べ、前述した、2種類のインデックスのうち、どちらの種類かを調べます。そして、そのインデックスの過去の変動の記録を、インターネットで調べることができます。

マージン
銀行によって、またローンの種類によってマージンが異なりますから、比較してみましょう。もちろん、マージンは低いに越したことはありません。

キャップ
変動金利ローンでも、際限なくいつまでも金利が騰がっていくわけではなく、必ず上限(キャップ)が決められていますので、これを確認しましょう。

プリペイメント・ペナルティー
一定期間内(普通は2−3年)に家を売却したり、リファイナンスしたり、ローンの返済をある一定金額以上すると、ペナルティーがかかる場合があります。ローンの書類にサインする前に、これを確認しましょう。プリペイメント・ペナルティーのある、なしによって、金利が上下する場合もあります。また、売却ならペナルティーなしで、リファイナンスの場合だけ、ペナルティーがかかる、というものもあります。

ポイント
ポイントとは、銀行、またはローンブローカーの手数料です。1ポイントはローン金額の1%です。色々なローン商品を比較するときに、ポイントも比較してみましょう。テレビなどで、ポイントなし、というような宣伝をしているのを見かけますが、これらの業者は、ポイントがゼロなら、その分をどこかで調節しないと利益が出ませんから、金利がその分高かったり、ローンコストに余分なものがついていたりするはずです。ポイントなし、という宣伝にのせられて、結局高くつくことがないように注意しましょう。

APRとレートの差
APR(Annual Percentage Rate)とは、ローンを借りるためのあらゆるコストを加算して、年利として算出したレートです。したがって、そのローンの金利より少し高くなります。このAPRと金利(Note Rate)との差は、0.3%程度なら普通ですが、中には2%、3%の開きがある場合もあります。1%以上あるような場合、そのローンのコストはちょっと高すぎると思いますので、コストの内訳について、納得がいくまで、よく説明してもらいましょう。

ローン費用
ローンを借りるのにかかる費用には下記のようなものがあります。金額は、銀行や不動産の場所、ローンの種類などによって異なってきますので、だいたいの目安です。

" Mortgage Broker Fee 1-3% (ポイント)
" Appraisal Fee  $250 - $500
" Credit Report  $50 - $100
" Processing Fee  $450-$550
" Underwriting Fee  $400-$500
" Document Preparation Fee  $200-$250
" Tax Service Fee  $90-$120
" Wire Transfer Fee  $50-$75
" Flood Certificate Fee  $50-$70
" Escrow Fee  ローン金額$1000につき$1.75 - $2.00
" Notary Fee $60 - $150
" Title Insurance ローン金額による
" Recording Fee  $50-$100

上記のような費用の他に、金利、税金などが清算されて、最終的に借り手の手元に入る金額が計算されます。

バルーンペイメント
金利のみを支払っていくローンで、元金はある時期が来たら一括して返済するという形式のものがあります。これを、バルーンペイメントといいます。毎月のペイメントが少ないほうがよく、バルーンペイメントを支払う資金ができる予定があるのであればいいですが、そうでないと、こういったローンを組むべきではないでしょう。

アマタイゼーション
そのローンの期間に渡って、元本がどのように返済されて行くスケジュールになっているのか、について基本的なことだけでもチェックしましょう。たとえば、金利だけ支払うローンで、元本は全く減らないもの、金利以下の、ミニマムだけ支払えばいいローンで、元本が増えて行く可能性があるもの、30年とか15年間で、少しづつ元本を返済して行くスケジュールのもの、バルーンペイメントのもの、などです。

インパウンド
不動産にかかる税金や、火災保険を、毎月のローンの支払いと一緒に銀行に支払い、銀行が税金や保険の支払いをするようにすることができます。これを、インパウンドと呼びます。銀行は、インパウンドにする方を好みます。なぜなら、インパウンドの場合、大目の金額を銀行の別アカウントにプールしておくような形式になりますので、銀行はその資金を運用することができるとともに、借り手が税金の支払いを怠って州からLienをかけられる、というような心配がないからです。銀行によっては、インパウンドにすれば金利が多少下がる、という場合もあります。

クレジットスコアと金利の関係
クレジットスコアによって、金利が上下します。クレジットがとても良い人は、低い金利のローンが組めますし、悪い人は、金利が高くなります。たとえば、このレポートを書いている時点で、15年固定の金利は5.000%ですが、これはクレジットスコアが640点以上の場合で、620から640の間だと5.125%に上がります。また、スコア680点以上だと、家の価値の95%まで借り入れることができますが、620から680だと90%まで、それ以下のスコアだと75%まで、などとなっています。(ローンの種類や銀行によって、この基準は異なります。)

収入証明
会社から給料を受け取っている人であれば、収入証明はW−2フォームのコピーと、ペイチェックの明細部分を出せば一目瞭然ですから、問題ありません。収入がローンの金額に見合っていれば、これでOKです。しかし、自営業者の人は、収入を証明できる書類が全くない場合があります。アメリカ人の35%は、自営業者か、歩合制の収入で働いている人達であるという統計があり、数年以内には、これが50%にまで増えるという予測が出ています。こういった動向を受けて、ローン商品も、収入証明が必要ないローンが増えてきています。

不動産の価値
不動産の価値に対して、借り入れることができる金額が決まります。ローンによっても異なりますが、通常は、不動産価値の70%から75%です。不動産の価値は、アプレイザーとよばれる、資格を持った鑑定士が見積もりに行って算出します。

モゲージ保険
モゲージ保険(Private Mortgage Insurance)とは、借り手の怪我や病気によって収入が途絶え、ローンの返済ができなくなったときに、保険会社がローンの支払いをしてくれる保険です。借り入れ金額が、不動産価値、または買値の80%以上の場合、モゲージ保険に加入しなければなりません。最近は、頭金なしのローンがありますが、ストレートに90%とか95%のローンを組んだ場合は、モゲージ保険加入は避けれません。しかし、頭金なしでも、たとえば、80%と20%というように、2つのローンに分けて借りた場合、モゲージ保険は必要なくなります。しかし、ここで考えなければならないのは、2番抵当のローンは、通常、1番抵当のローンより、金利がかなり高くなりますので、その分とモゲージ保険の保険料を比較して、得になるほうを選ぶべきでしょう。
まとめ

ローンについて相談するときには、まず下記のような項目をリストアップして、ローンブローカーに伝えましょう。

1) 頭金はいくら支払えるか。
2) 毎月の返済額として、楽に支払える金額はいくらか。
3) この不動産を、今からあと何年間所有するか。
4) 収入はいくらで、収入の証明が出せるかどうか。
5) クレジットに問題があることがわかっている場合は、その内容(破産宣告をしたことがあるとか、家賃未払いでアパートから追い出されたことがある、など。)
6) リファイナンスの場合は、その目的−毎月の支払いを下げる目的なのか、他の借金を返済することが目的なのか、自宅の改修費用や、お子様の教育資金を捻出する目的なのか、など。また、現在借りているローンの残高、期間、銀行名、ローンの種類、金利、プリペイメントペナルティーの有無、なども伝える必要があります。

ローンブローカーは、それらの条件と、あなたのクレジット・スコア、家の価値、などを検討した結果で、最適と思われるローンプログラムの見積もりを出します。

このレポートで説明したように、固定金利ローンと変動金利ローン、どちらがいいのかについては、借りる人の状況や、その時に出ているローン商品の内容によって、ケースバイケースと言えますので、いくつかのローン商品について、このレポートで説明したような要点を、比較検討して決めることが必要です。

私自身、過去、この業界に入る前に経験したことがありますが、世の中には悪徳ローンブローカーや、無知な銀行職員も多く、借り手のほうがある程度の知識を持っていないと、とんでもないローンを契約してしまうことにもなりかねません。ポイントなし、金利1.25%、というような宣伝文句につられて、とんでもない内容のローン契約にサインしてしまうことがないよう、ローンの内容は契約する前に細かく説明してもらいましょう。

また、いざローンの書類にサインするという時に、それまで世話をしてくれたローンブローカーが立ち会ってくれる場合はいいですが、そうではなく、外部のノータリーパブリックの前でサインをされることになる場合があります。このような場合、ノータリーパブリックは、関係ない第三者の場合が多く、ローンの内容について質問に答えることはできませんので、サインをする書類の内容は、事前によく確認しておくことが大切です。私はノータリーパブリックとして、ローン書類のサインに立ち会うことがありますが、いざサインをする段になって、金利や支払い金額が聞いていたのと違うとか、ローン費用が多すぎるとか、そういった問題が出る場面に遭遇することがよくあります。しかし、借り手がサインをする時点では、時間的なプレッシャーがかかっている場合がほとんどであるため、とにかくサインをするしかない、という状況に追い込まれることになります。こういったことを避けるためにも、借りるローンの要点や、ローン手続きの費用、最終的に手元に来る金額、などを、よく確認しましょう。

あなたのローンブローカーが、あなたと長いお付き合いを望んでいる、良心的なブローカーならば、必ず親身になって説明してくれるはずです。

最後まで田口のレポートをお読みいただき、ありがとうございました。
このレポートがお役にたちましたかどうか、お知らせいただけましたら幸いです。また、ご意見、ご質問、ご相談などございましたが、いつでもお気軽にご連絡ください。

あなた様の不動産投資が、大成功となりますことを、心よりお祈りしております。

 


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